座って食べないとき、椅子を見ています
この記事は、一般社団法人 石川県歯科医師会「お口の育て方」(令和5年3月発行)と、イギリスの公的医療サービス NHS(National Health Service) が公開している情報をもとに、管理栄養士である筆者が要約し、解説を加えたものです。原文の内容は公開時点のものであり、最新の情報は各公式サイトをご確認ください。本記事は情報提供を目的とし、医療上の判断はかかりつけ医にご相談ください。
Hi there,
離乳食の相談で、椅子について聞かれることはほとんどありません。たいてい、こちらからお伺いしています。
落ち着いて食べない、座って食べない、椅子から抜け出してしまう、噛まない。そんなふうに食事に集中できていない様子であれば、「どんな椅子に座っていますか?」とお聞きします。
食べ方の話をしているつもりが、椅子の話になるんですね。
なぜ椅子をお聞きするのか
足の裏がついているかどうかが、噛むことに関係しているからです。
以前奥が深い、お口の育て方でご紹介した、石川県歯科医師会の「お口の育て方」という資料があります。今回はその中の、姿勢について書かれているところを見てみたいと思います。
離乳中期(7〜8ヶ月頃)のところに、こう書かれています。
足が支えになって、はじめて口に力が入るということなんですね。
NHSも離乳食を始めるときの姿勢について、sitting safely in an upright position、まっすぐ安全に座れていることを挙げています。こちらは飲み込みやすさと安全のための記述で、足の裏までは触れられていません。
座り方で見てほしいところ
相談では、こんなふうにお伝えしています。
膝の裏が座面についた状態で足が垂直におり、足底がぺったりつくのが理想です。
先ほどの資料でも、離乳完了期のところで「腰、膝、足首をそれぞれ90度にすると姿勢が安定します」と書かれています。
見落とされやすいのが、座面の奥行きです。奥行きが深すぎると、お尻が前に滑って、膝の裏が座面から離れてしまいます。そうすると足は前に投げ出されて、垂直に下りません。
月齢によって、ちょうどよい姿勢は変わっていきます。手づかみ食べが始まる離乳後期(9〜11ヶ月頃)は、やや前傾した姿勢が取りやすいように椅子を調整するとよいとのことです。
姿勢のことは赤ちゃんのおすわりについてにも書いています。
今の椅子のままでもできること
買い直しをおすすめしているわけではありません。今ある椅子で調整できることのほうが多いです。
- 足が届いていないときは、踏み台を作る
- 姿勢が捻れているときは、タオルなどを体に巻いて調整する
足置きがない椅子でも、高さの合う箱や台を置けば足の裏はつきます。
「ば○ぼ」のようなタイプや、机にかぱっとはめるタイプは、私はおすすめしていません。この話は知ってたら絶対買わない子育てグッズに書きました。
反対に、長く使えているなと感じるのは高さを調節できる椅子です。ストッケのトリップトラップは、フランスのご家庭でも日本でもお見かけしますが、体の大きさに合わせられるので出番が続いているようです。
そもそも離乳初期(5〜6ヶ月頃)は、膝の上で抱っこして支える形でよいと資料にも書かれています。慌てて椅子を用意しなくても大丈夫かと思います。
Love
7年前に書いた不正咬合を予防する子育て10カ条(新生児期・乳幼児期編)@小ネタの第7条で、「(関連記事;人生を左右する?椅子選び)」と予告していました。ずいぶんお待たせしてしまいました。